3月14日・・・日曜日の今日
俺は・・・を誘って臨海地区に来ていた
ショッピングモールであれこれウィンドーショッピングをして
昼飯には・・・のリクエストで一緒にピザを食って
一日中・・・あちこち動き回って
日が傾いた頃・・・俺たちは観覧車に乗った
観覧車の小さな箱の中・・・
初めて・・・二人きりになった
教室ではいつも・・・周りに誰かいるし
一緒に下校するときだって・・・
こんな風に・・・間近での顔を真正面から見ることは無い
そう思うと・・・なんだか・・・妙に照れくさくなって
俺は・・・気持ちとは反対に
ただ・・・何も言えずに・・・下界を見下ろすしか出来なかった
「あ!!葉月くん、見て!」
「ん?」
「ほら、夕陽が富士山の向こうに沈んでゆく・・すっごく綺麗」
振り返って・・・眺めると
オレンジ色の太陽が・・・ゆっくりとゆっくりと沈んでゆくのが見えた
「おまえが座ってる方向からだと・・・綺麗に見えるんだ」
「うん、じゃ、交代しようか?」
そう言って、立ち上がろうとしたより早く
俺は・・・の座っているほうに移動した
「二人で・・・眺めればいいだろ・・・」
「あ・・・うん」
俺の左側と・・・の右側
ほんの少し・・・お互いの身体が触れ合って
小さな箱の中で・・・俺たちは無言で夕陽を見つめていた
そして・・・オレンジの光りが落ちて
俺たちの周りは・・・急に群青に包まれた
その時に・・・俺は、ポケットの中にある
小さな箱を取り出した
「・・・これ」
「え・・?」
「おまえに・・・」
はほんの少し・・・驚いた様子だったけれど
でも、小さな箱の持っている意味をすぐに察して
「ありがとう、葉月くん」
そう言って・・・照れくさそうに笑った
真正面からその笑顔を見たいけど
俺も照れくさくて・・・結局、夕陽が隠れた山の稜線を見つめていた
もう少しで・・・観覧車が地上に降り立ってしまう
もう二人きりの空間ではなくなってしまう
そう思った瞬間に・・・
の手が遠慮がちに、俺の手に触れた
「昼間は暖かいけど・・・お日様がいなくなったら寒いから・・」
「ん・・・・」
「葉月くんの手、あったかいね」
「おまえの手も・・・温かい」
観覧車のドアが開いて・・俺たちは手を繋いだまま外に出た
まだ春にはなりきらない・・・3月14日
初めて・・・の手の温かさを感じた
小さな箱の物語・・・・
END
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